プリステ episode1

プリステ。プリンス・オブ・ストライドの舞台版。劇中のE.O.S(エンド・オブ・サマー)という大会に合わせて、2017年夏までに全4エピソードを上演すると発表された時、正直、正気を疑いました。かなりの博打だと思いました。原作ファンが必ずしも2.5に興味あるわけではありません。また、推すことで続編が決まるといった喜びもありません。人によってはいつの間にか始まって、いつの間にか終わってしまうのではと不安でした。不安要素はいくつかあって、例えばどんな舞台か事前に告知されることで驚きが少なくなること(通路を役者が走る、ギャラスタのパフォーマンスがある等)。ヒロインがいることも問題でした。男性キャラクターがいっぱい出る作品の舞台化においては、ヒロインの存在は失くす、あるいは薄めるのが最近の傾向です(ダンデビの「リツカ表現役」は非常に秀逸)。ただ本作のヒロインはリレーショナーという、ランナー同士がハイタッチでバトンをつなぐタイミングを指示する重要ポジションにいます。確かに消すことは難しい……でも男女混合の舞台ってちょっと見づらいんだよなぁと心配しながらチケットを取りました。観て嬉しい舞台なのか、実(じつ)がともなっているのか、実際に観るまで不安でした。

その不安は、オープニングで消し飛びました。まず「On Your Mark……」とカウントダウンで始まるのがいい。これからストライドを走るんだ、わたしたち観客もスタートを切るんだと思えてめちゃくちゃアガった。そして始まるオープニングがとにかく本当に、めちゃくちゃカッコよかった。紹介を兼ねてキャラクターが一人ずつ各校ごとにステージに現れ、ライトと音楽にのって縦横無尽に走り去る。一瞬一瞬しか見えないから、それがそのまま一瞬の生(せい)のきらめきに見えた。予想外のカッコよさにすごくビックリして圧倒されて、ブワッと涙がでて。導入からこんなにカッコよくして下さってありがたかった……「この舞台は信じられる」と思った。

一番の不安要素だったヒロイン・桜井さんは、とても可愛くてほっとしました。落ち着いていて素敵。特に声質がいい。陸ときゃっきゃしてるの見て、結婚しろ~~!!!って思うノーマル、久しぶりです(ノーマルって)。ふたりが一緒に祝賀会に移動する、そのほんと、ただの出ハケを見て、あーこの間に誰もいない学校の廊下とかをふたりで歩いたんだろうか……あ~~!!!(ごろんごろん)ってなった。桜井さんがいなかったら、こんな気持ちにならなかったから、桜井さんがいて本当に良かったです。ありがとう……。

初日の感想は、「誠実」。プリストという作品を、ただ実直に描こうとしているのが感じられました。シンプルで面白い脚本と演出、役者さんたちの各キャラクターらしさ、ストライドの再現性に感激。役者さんが欠片も素を出さずキャラクターでいる、その真面目さ……大変素晴らしいです。

通路際の席に座った時は「風」を感じました。ランナーが横を走り抜ける風。ランナーが舞台に足をつく、ダン!という衝撃がそのまま客席に響いた時は、隣の友人と思わず顔を見合わせました。最高か。通路際に座れるかどうかは運ですが、この風やペンライトの海は会場でしか味わえない。

初日は情報量が多すぎて観終えた後しばらくふわふわしていたのですが、また観てもいいな……と、ぼんやり思いました。その気持ちは観劇を重ねるごとに、「また観られる!」「終わらないで……!」に変わっていき。大千秋楽は本当に、終わってほしくなかった。でもまた4月に会える。三橋高校のみんなともepisode3で会える。それが決まっていることに感謝しました。最初に感じた不安は完全にひっくり返り、いいものを期待して待てる喜びに変わっていました。

episode1は陸の物語としてまとめられつつ、episode2で肝となるエピソードの前フリもきっちり描かれていて大変よかったです。もはや信頼しかないので、4月の続編が楽しみ!! チケットの<最速先行>は1/3(火)23:59までなので、公式HPやツイッターをチェックしてみて下さい。まずどんな舞台か観てみたい方は、1/13(金)12:00からdアニメストアで大千秋楽の映像が販売配信されますのでそちらをチェック(約2時間の舞台が1,200円で映画よりもお安い……)。

プリステ大変、大変おすすめです。ストライドというスポーツにかける高校生たちの熱い想い。葛藤。青春。戦いの夏。まだ間に合います。本当に。遠征の価値あるよ!!!(5回観ました)

オープニングでかかっていた「Trust」を聴いたところ、たまらなくなったのでブログを書きました。もっと細かい感想あるのですが多すぎて……これどうやってまとめよう笑。ひとまず最速先行〆切り前に何かしら書きたかった!

綾奈ゆにこのしごと

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